プリント能力は?
前回の記事では、3Dプリンタはどんなもの?
という感じで、成型能力にはあまり触れませんでした。
今回は、実際に作りたいだろう形状に近いものを
プリントした写真も掲載してみました。
基本
前回の記事でも書きましたが、
まず、サイズです。
ビルドプレート(地面)の大きさ
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/faebe815d6e8809fa02eb43a7894050e.jpg?resize=373%2C373&ssl=1)
そして、高さです。
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/def5c2cefa742e1420e20721451b7557.png?resize=365%2C274&ssl=1)
基本的に、これより小さいサイズしか作れません。
そして、前回は素材はPLAで、単純な形でした。
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/IMG_0094.jpg?resize=292%2C518&ssl=1)
今回は、素材ABSで複雑な形です
まずABSについて
ABSはPLAに比べて、高い温度で加工します。
性質として、反りがでたり、くっつきが悪いです。
素材同士のくっつきも悪いのですが、
まず、ビルドプレートに定着してくれません。
定着しないとどうなるかを、図で説明します。
通常のきれいな例です。
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/a9bf8a7c7328063a101872e5504df7a5.png?resize=300%2C249&ssl=1)
3Dプリンタは、いきなり作品をプリントしません。
まず、ノズルとビルドプレートの温度を上げてから、
(ビルドプレートの温度調節がない機種もあるそうです)
準備運動として、水色のラインをプリントします。
ある程度調子が出てから、
黄色の本体部分のプリントにかかります。
しかし、ビルドプレートの吸着が悪いと、
このような感じになります。
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/db1295e7ef17b0d8d0ebc4dffa19fec7.png?resize=300%2C249&ssl=1)
水色のラインはどうでもいいのですが、
黄色の本体部分の一段目がずれると、
大抵はそのあともズレ続けます。
ゴミが成型されてしまいます。(笑)
これを回避するのに、
●ビルドプレートにスティックのりを塗る。
●ヘアスプレーを散布する。
●専用のプラットフォームシートを貼る。
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/mono89671968-180426-02.jpg?resize=300%2C300&ssl=1)
などの方法があります。
造形物の形
3Dは、下から順番に層を積み上げて整形します。
つまり、空中に浮いた部分に、
いきなり成型はできないのです。
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/d59c7687b28f2d1c25a170f17a8dca7e.png?resize=300%2C259&ssl=1)
ですので、空中に浮いた部分は、
実際のデザインにはない、
サポート材(台)を一緒に成形することになります。
成型後に、このサポート材を取り除くのは一苦労です。
ですので、なるべくサポート材が少なくなるように
プリントします。
プリントの向きはスライスソフトで
3Dプリンタにデータを送信する前に、
スライスソフトで設定をします。
その時に、造形物の配置も変えられます。
例えば、図のような物があったとします。
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/41e43ce531a93502255ec707a5740a10.png?resize=300%2C236&ssl=1)
これだと、サポート材の量が増えて、
多分、きれいにできません。
そこで、向きを変えます。
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/0694b15eefed0d4f1552740651bc7be8-1.png?resize=300%2C231&ssl=1)
こんな感じです!
その時に、強度の問題を考えて配置するとよいです。
積層面の縦方向は強いですが、
横方向は弱いです。
ですので、実用品の場合は、その辺りも考えましょう。
割れます。(笑)
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/IMG_1329.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
スマホケース。パテ入れて塗装しても割れました・・・。
ちなみにサポート材の形状もスライスソフトで設定できます。
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/d3e343346f56d49d5920fc7e80774637.png?resize=268%2C133&ssl=1)
色々試してみるとよいと思います。
実際にプリントしてみます
これはオリジナルデータの勾玉です。
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/IMG_0139.jpg?resize=169%2C300&ssl=1)
仕上げをしているのでキレイですが、
プリント直後はこんな感じです。
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/IMG_1315.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
比較します。
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/IMG_1324.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
どうですか?がっかりしましたか?(笑)
3Dプリンタて、
いきなりきれいな造形物が出るわけではないです。
これは、モデラボさんでお借りしたフィギュアです。
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/IMG_0121.jpg?resize=169%2C300&ssl=1)
プリント直後はこんな感じです。
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/IMG_1313.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
サポート材がまとわりついています!
これを仕上げるの?
そうなんです。
でもサポート材ははがれやすくなっています。
プラスチックカッターやニッパでやるとよいです。
ただ、磨きをかけるのを手でやるのは大変です。
私はこれを使っています。
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/1.jpg?resize=60%2C300&ssl=1)
微振動の電動歯ブラシのような動きをします。
量産には不向き?
おそらくシリコンで型どりして、
レジンで量産したほうが良いと思います。
![](https://i0.wp.com/hitoriasobi3.com/wp-content/uploads/2019/12/IMG_0146.jpg?resize=300%2C169&ssl=1)
こちらも仕上げはやらなくてはいけませんが・・・
そのうち量産についても書いてみます!
コメント
[…] スライスソフトや、モデルの向きについてはこちらの記事。 […]