Tata-Ra 妖怪と呼ばれた男たちの功績

動画

天目一箇神(あめのまひとつのかみ)

 天照大神の孫。

そういわれても漠然とした感じしかない。

ただ、ルックスは個性的である。片目しかないそうだ。

そして製鉄の神様である。

妖怪1本たたらの原型となったとも言われ、

それは天目一箇神の落ちぶれた姿が1本たたらになったという説だ。

 天照の孫であれば、現在日本のたたら製鉄の始まりといわれる古墳時代とずれがある気がするのだが?

Jammerはスマホの画面を見ながらつぶやいた。

「気のせいだろうか?」

私たちの生活は鉄に囲まれている。

鉄がない生活など考えられない。

きっと初めて鉄を手にした人々は驚愕したに違いない。

そしてこの鉄を手にしたものが世界を手にすると直感しただろう。

現代でいえば、レアアース、GPUみたいな感じだろうか?

なにも妖怪にしなくても

 当時の最先端産業の従事者。

農耕具や、装飾、刀など、ほぼ全員が恩恵を受けていたはず。

しかし労働環境は厳しく、火の粉で目を焼かれ、

ふいごを踏み続ける足は機能をしなくなる。

片足を中心にぴょこぴょこ歩く姿は異様だったに違いない。

その姿になってもう帰る場所はない。

生涯を山中で過ごし、1本たたらの伝承となる。

1本たたら

 Jammerはため息をついた。

生活に必要な鉄を作らせておいて、異形になったからと山中に閉じ込める。

都は美しいまま・・・・。

あまりにも勝手で、一部の人間の都合に思えてならない。

犠牲の上に成り立つ利便性・・・・。

Jammerはこの史実を目撃する必要があると感じた。

たたら製鉄の山中で

佐藤博士への相談

 Jammerは佐藤ヒラガ博士のタイムマシンでタイムスリップすることができる。

そして色々な時代の人々とJamセッションをするギタリストだ。

今回Jammerが感じたことは、もう佐藤博士に話してある。

そして今日、古代のたたら製鉄の現場に向かう手はずになっている。

「くれぐれも歴史に干渉してはいけないよ!」

博士のいつものアドバイスだ。

「もちろん。」

Jammerは短く答えると、Travelersとともにタイムマシンに乗り込んだ。

白装束の女

時空を超える間は少しウトウトしていた。

 たどり着いたのは厳かな神社であった。

Jammerたちは鳥居をくぐり境内に進んだ。

女?

まだ小さくしか見えないが、白装束の人物が舞っている。

細い声でハミングするのが聴こえてきた。

祈りの枚をする巫女

表情は真剣で額には汗がにじんでいた。

声をかけていいものかと逡巡したが、Jammerは尋ねてみた。

「何をしているんですか?」

こちらを見て一瞬驚きを隠せない女・・・・・

「あなた方は、この国の民ではありませんね?」

そう問い返した。

Jammerは返事を考える・・・。

「遠い場所から来ました。私はじゃまと申します。」

巫女のことはご存じ?と、女は自分の身分を語る。

「壱与といいます。」

壱与は毎夜ここで祈りの舞いを行っているそうだ。

たたら製鉄の作業の安全を祈っているそうだ。

時には製鉄の現場にも赴き、

「あなた方はもうすぐ天目一箇神になるのです。」

そう説明しているそうだ。

異形の姿になってしまう作業員への言い訳役である。

決して楽しい役ではないだろう・・・。

「それにしても祈りに熱が入っていましたね?」

聞けば、巫女の幼馴染もたたら製鉄の現場で働いているそうだ。

目を焼かれたたたら作業員

もうすでに片目は焼かれてしまったらしい。

Jammerは製鉄所への案内を懇願する。

「俺たちは目撃者になりたいんです。」

壱与は言葉の意味をしばらく考えていた。

だが、目撃者という一言を信用することにした。

自分と幼馴染の運命を誰かに見届けてほしい思いもある。

「そうですね。見てください。私たちが鉄を作るところを。」

俺たちも祈りに参加させてください

 製鉄の現場に案内されたJammerはその流れ作業の巧みさに驚くとともに、

全く安全管理がされていないことに愕然とした・・・・。

たたら製鉄の現場

「けがをしろと言わんばかりじゃないか・・・」

Travelersも口をそろえて言う。

「俺ならこんなところ1日も持たない・・・。」

しかし、作業現場に口出しするわけにもいかない。

歴史に不干渉のルールである。

「壱与さん、俺たちも祈りに参加させてもらえないだろうか?」

演奏後に青白い光がたくさん天に昇っていくのが見えた。

ベースのエドが指をさす。

「Jammerあれはなんだと思う?」

壱与は光を見つめハミングする。

「あれは妖怪として天寿を全うした作業員の魂じゃないのかな?」

「そうかもしれないな・・・」

エドが真面目な顔をしている。

Jammerは少しうれしかった。

外国人であるエドが日本の古代の悲劇に真剣に向き合ってくれていたから・・・・。

タイトルとURLをコピーしました