前書き
この映画を見るのは2度目です。
執筆(と言えるほどでもないです)時、映画を見ながら思ったことを殴り書きしてみました。
障害を紹介するような映画は、どうしても誇張があります。
一般の方にも自閉症の特徴がわかりやすいようにしているのですが、この映画は割と自然に演じているように思います。
また、障害エピソードをたくさん入れたいので、ストーリーが忙しく詰め込み傾向になってしまいますよね。そこはご勘弁ですね。
でも、演者が上手で障害特徴をよく再現していますよ。
どれが障害特徴か一般の方はわかるでしょうか?
私からすると「そうなんだよな」というところたくさんありました。
端的に言うと、結構面白かったんですけどね。
冒頭でタクシー運転
現在日本では、発達障害者は運転が苦手と考えられているようですが、実は結構運転している方もいます。
映画では、ナビ画面のように他車の動きまでイメージできる、主人公のドナルドさん。
無線での他車の動きまでイメージしてしまい、他車が気になって事故ってしまいます。
日本じゃ発達障害者がタクシーなんてと思うかもしれませんが、運転自体は全く問題ない人もいるんですよね。
実際、発達障害が一般的な言葉になる前の未診断発達障害者は、なんだかんだ運転していました。
私もそうです。知りませんでしたから。
実は運転そのものが大好きで高い集中力を見せると、全然事故らなくなったりしますけどね。
映画だからね、主に恋愛を中心に進行します
劇中でドナルドさんは、日本でいう障害当事者会みたいなものを運営しているのですが、そこに美容師をしている女の子イザベルが参加することから、物語が動いていきます。
彼女は発達障害にありがちな、はっきりとした物言いをするので、いきなりトラブルを起こします。
こういった物言いは、悪い面もあれば、恋愛初期の段階では相手をドキドキさせたりできるので、結構もてたりします。
まぁ、最初だけですけど。そのうち「なんでこうなの?」となります。
ちなみに、自閉症はしゃべらない障害ではないことがわかると思います。
恋愛にも、性的なことにもちゃんと興味があります。
自閉症の特徴は、行動に関して決まりごとが多くて、他人と合わせられないことですかね。
もし、日本でこれを見て、当事者会に行けば恋愛ができる?と思ったら、たぶん無理だと思いますよ。
参加者のほとんどが男性で、女の子は2人くらいです。男の子はみなギラギラしてます。逆に女の子はその気になればですかね?タイプがいればですかね?
表情が一致していない?
演者が上手で、セリフと表情が一致してないときがあります。??
上手なのに一致していない?
そうなんですよ!
ここ、実は重要です。もちろん自然な反応をすることもあるので、一般の人にはどの表情が一致していないかわからないと思います。
私も子供の頃、殴り合いのけんかしてるのに、「何わらってんだよ!」と言われたりしたものです。
当人には、ずれてる意識はないんですよね。
これ、実は会社でトラブル原因なんですよね。
同じ自閉症なのに症状が違うのはなぜ?
知っているかもしれませんが、発達障害とは一つのものではないのです。
自閉症スペクトラムASDと、有名な注意欠如多動性障害ADHDと、学習障害LDの3種が混ざり合ってその方の人格を作っています。
3種の混ざり合う割合はみんな違うんです。
知能も知的障害に近い人もいれば、ある特定の分野は博士級の人もいます。
そんな理由で目に見える症状は全然違って見えるかもしれません。
計算マシーンにはあったことがない
作中では、ドナルドはなかなかに計算が得意です。
私が知っている中にも、カレンダー全部覚えてるとか、スマホの発売日まで全部知ってる方とかはいらっしゃいます。
でも残念ながら、4桁、5桁の計算が一瞬で、という方にはまだお会いしていないです。いるのでしょうけど、少ないですよね。
感覚過敏について
作中で、イザベルは聴覚過敏で金属音で具合が悪くなってしまいます。
一般の方はおそらくボリュームの問題と理解すると思います。
私は、一定の周波数がよく聞こえたり、普通は話をすると相手の声に注力するのに、そういったことがうまくできなくて、全部の音を拾ったりなんだと思います。
私も人込みや、パチンコ屋さんは具合が悪くなります。
視覚過敏もそうですが、視力検査や、聴力検査の結果は一般と大差ありません。それに、自分の目や耳が、他人とどう違うかなんて比べられません。
そんなわけで、なかなかいい感じで理解してもらうのは難しかったりするんですよ。
臭覚や皮膚過敏も同じですね。
発達障害同士の恋愛は難しい?
これはYESでもあり、NOでもあると言えると感じています。
語感や、ヒットポイントが同じであったり、波長がとてもリンクするのは体感したことがあります。
特に遊んでいるときには気分が高揚し、他の人とでは得られない感覚があると思います。
しかし、現実の生活はそれだけではないです。お金を稼いだり、近所づきあいがあったり、子育てをしたりと、苦手なこともたくさんあります。
そして、個々の生活ルーチンがありますから、恋愛から一歩進んだ時に大変な困難にぶつかります。
この映画でもそうですね。
嘘じゃないのは
映画のなかでは、毎日トラブルでドタバタしてます。
実際の私たちの生活は・・・ドタバタしてます。
家から外に出ないタイプの方は、あまり変化がないかもしれませんが・・・
外に出て、誰かとかかわる時には結構な確率で何かあります。
深く人付き合いすれば、必ず自分のメンタルにも影響があります。
私などは、なるべく深く人と付き合わないように注意していますが、楽しかったりして不注意にもプライベートにかかわってしまうこともあります。
人と接触しなければ安心かもしれませんが、そこには何のドラマもありませんよね。
この映画を見て感じたのは、自閉症であろうが、生きててよかったと思えるよう人にかかわってみてもよいかもしれないということです。
ただし、自分を強く持たなければいけませんね。
映画情報
- 製作年:2004年
- 上映時間:94分
- ジャンル:ラブストーリー
- 監督:ペッター・ネス
- キャスト:ジョシュ・ハートネット、ラダ・ミッチェル、ゲイリー・コール、シーラ・ケリー etc
ご興味がある方はDVDを購入されるのがよいかもしれません。どことは申しませんが、中古でかなり安く売られていますよ!
私、こんなことしてます
発達障害者の活動です。https://h-otona.work/
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